今日のリスクはどこから来ているか
石油備蓄とLNG在庫の薄さが続くなか、中東航路の警戒と政策対応が長期化し、構造的な脆弱性が高止まりしています。
膠着する危機指標、備蓄の薄さと中東警戒が重し―構造脆弱性65
目先の需給には大きな乱れは見えません。25日の全国最低広域予備率は北海道で19.7%、週間見通しの最低でも中部の17.7%と、いずれも十分な供給余力を示しており、卸電力のシステムプライスも15円台半ばで推移しています。しかし、そうした表向きの安定とは裏腹に、国内の石油国家備蓄は3,542万キロリットル、発電用LNG在庫は前年比5.4%減の211万トンと、燃料の下支えは薄いままです。
この低い備蓄水準をさらに警戒させるのが、中東航路をめぐるリスクの継続です。UKMTOは紅海・ホルムズ海峡で高い警戒レベルを維持し、MARADも航行注意情報を出し続けており、IMOもホルムズの治安悪化に言及しています。IEA加盟国による戦略備蓄の協調放出がすでに進行し、日本でも資源エネルギー庁の中東情勢対応ポータルが稼働するなど、政策面の手当ては強化されています。それでも原油輸入の84%を中東に依存する構造は変わらず、構造脆弱性は65の「緊急」水準に張り付いています。当面は、燃料在庫の積み増し状況と中東シーレーンの動向に目配りが必要です。